愛知県知事リコール不正署名の1考察

今回の考察テーマは

「愛知県知事リコール運動の不正署名における赤字1000万円は誰が支払ったか」

の考察である。

 

1.エグゼクティブサマリー

 ・不正署名バイトの赤字1000万円を支払った人は存在しない。

 ・つまり、1次請けのポスティング会社ジェネシスが赤字分を含めて

  全額被っている(事務局が支払った474万円は郵送費実費分と推測)

 ・金の流れからは事件の真相は掴めない状況である。

 

2.不正署名事件のあらまし

 ・2020年に愛知県知事の言動に業を煮やした人々が県知事リコール運動を実施

 ・リコールに必要となる署名80万票に対し、実際に集まった署名は40万票。

 ・更に40万票の内、8割が不正署名。佐賀県で多数のバイトにより、

  不正署名が行われていた

 ・2021/3/9時点で、首謀者を含め、全容が未解明な状態である。

 

3.不正署名の時系列

 2020/6頃:名古屋のポスティング会社ジェネシス社から、

      署名依頼はがきのポスティングを無償で行う旨の申し出が

      リコール活動事務局に対して行われる。(新聞報道より)

 2020/9:高須氏(事務局の責任者であり実質的スポンサー)のtwitter投稿

     「署名依頼はがきの切手代が400万円程度かかる見込み」

     という趣旨の投稿あり。

 2020/10:田中孝博氏(リコール運動事務局の事務局長)より、

     ジェネシス社に対して474万円の発注が行われる。

     新聞報道では、はがき配布の発注と記載。

     474万円は返送の郵送費として、ほぼ実費と推定。

 2020/10:ジェネシス社よりSDR社に業務委託(発注)。

     委託内容は、はがき配布と記載された新聞報道もあるが、疑問。

     また、新聞報道によると、SDR社にて不正署名が行われた。

      (バイト募集自体はタイミー社経由で集められた模様)

 2021/2:不正署名が発覚

     ジェネシス社の社長の発言(新聞報道)として、

     「今回の案件は1000万円の赤字だった」

     「闇は深いと思いますよ」

 

4.考察

・通常は、金の流れが全てを物語るが・・・

・「今回の案件は1000万円の赤字だった」発言は、

 二次請けのSDR社では無く、一次請けのジェネシス社側の発言。ここから、

 赤字1000万円分は、ジェネシス社からSDR社に支払われていると推測。

ジェネシス社から事務局に対して赤字分の費用請求を行っても、

 「そもそも無償でポスティングするという契約ですよね?」(474万円は実費分負担)

 「いつ・どこで・アルバイトに署名させるという契約に変わったんでしたっけ?」

・通常は、赤字がでる発注などあり得ないが、今回は、「ポスティングは無償協力」

 というジェネシス社からの申し出により、最初からポスティング費用は

 赤字が想定されていたハズ。

 (ジェネシス社の社長の事態把握が遅れたと推測。社長も新聞報道で

  事態を把握したと推測)

・証拠を突きつけない限り、田中孝博氏(リコール運動事務局の事務局長)は、

 「無償のポスティング協力の申し出により、返送の郵送費実費分474万円の

  署名依頼のポスティング(はがき配布とも報道)業務を発注した」

 と言い続けるだろう。(その通りである可能性も存在する)